BRT220 HDD換装覚書

2015.3

■用意するもの

・Linux PC か HDDコピー機 (HDDデータ抽出&コピー用途…Linuxは SystemRescueCd でも代用可)
・Windows PC (HDDデータを弄る用途…Windows用フリーソフトHxDで行う)
・AVコマンド対応HDD → ここでは DT01ABA200V を使用した。容量は2TB。(5700rpm、AFT) → 楽天参考価格
・DMR-BRT220本体 (firmware v1.32)

■方針2つ

A: 新旧2つのHDDをLinux機に同時に繋いで(またはHDDコピー機で)直接コピーし、HxDで新HDDのデータを弄る
B: 旧HDDをLinux機に繋いでデータをイメージとして取り出し、新HDDに繋ぎ替えてイメージを書き込み、HxDで新HDDのデータを弄る

ここでは方針Bを採用する。理由は、新旧HDDの取り違え防止と、旧HDDのイメージを保存しておくことで旧HDDの保管が不要となるため。

    DIGA録画レート計算機   推奨外HDD動作実績

■DIGAの分解手順 (BRT220の場合)

0. ケーブル類やB-CASカードなど余計なものは外しておく。
1. 天板カバー…左右側面1本ずつと背面3本のネジを外し、後方にスライドさせて外す。
2. フロントパネル…左右側面に1つずつ、下側3つある「ツメ」を爪楊枝で浮かせ、手前側に【水平に引いて】外す。
(フロントパネルのツメはこれだけ。上面にはないようだ)
(フロントパネルは抵抗なく抜けるはず。抵抗がある場合は下側のツメがちゃんと浮いてるか確認してみよう)
3. HDDを基板からマウンタごと摘出。外すネジは4本。摘出の際は、SATAコネクタを壊さないように垂直に持ち上げること。
4. HDDとマウンタを分離。(ネジ4本)
5. HDDのSATAコネクタから「変換アダプタ」を分離する。このとき、緑色の基盤ではなく黒い部分に力を加えること。 (HDD裏側を見ながらやるとやりやすい)
(爪楊枝や薄い金属板などを接続部脇に差し込んで左右交互にゆっくり浮かす)
@フロントパネルの水平引き抜きと変換アダプタの分離がやや難しいが、落ち着いてやれば大丈夫
@組み立てはこの逆を行う
参考:http://hathor.2nd-sv.net/?p=198

■HDD状態チェック

旧HDDをLinux機に繋いで起動し、fdisk -l コマンドを実行する。
 # fdisk -l   (実行結果は次のような表示になるので容量などを手掛かりに機器番号を確認する)

 Disk /dev/sdX: xxxxx MB, xxxxxxxxxxxx bytes
 x heads, xx sectors/track, xxxxxx cylinders, total xxxxxxxxxx sectors
 Units = sectors of x * xxx = xxx bytes
 Sector size (logical/physical): xxx bytes / xxx bytes
 I/O size (minimum/optimal): xxx bytes / xxx bytes
 Disk identifier: xxxxxxxxxxxx

(以下は分かる人のみ)
 # smartctl -a /dev/sdX      (command not found のときは smartmontools を入れる)
 # smartctl -s on -a /dev/sdX (SMART情報を表示する)

■旧HDDからデータを読み出しイメージ化

★イメージコピーはddコマンドが有名だが、ddはエラーが有ると止まってしまうので ddrescue を使う。

ddrescue コマンドで旧HDDをイメージ化して安全なメディアに保存する。以下、イメージの名前は hdd_diga.img とする。

参考:http://d.hatena.ne.jp/over80/20140407/ddrescue
参考:http://www.gnu.org/software/ddrescue/manual/ddrescue_manual.html

1. まず旧HDDからエラーをスキップしながらファイルイメージ化してカレントディレクトリに保存する。 このとき、旧HDDのセクタサイズに気をつける。AFTなHDDを扱う場合は、-bオプションで-b4096とすること。
 # ddrescue -b4096 -s2560000000 -f -n /dev/sdX hdd_diga.img rescue.log   (※BRT220にもともと載ってる旧HDDは非AFTであり、セクタサイズは512なので -b512 が普通なのだが、ここでは -b4096 にしている。その方が時短になるため)
2. 1でエラーが出たら、logファイルを参照しながらエラー部分だけリトライするコマンドを実行
 # ddrescue -b512 -s2560000000 -d -f -r3 /dev/sdX hdd_diga.img rescue.log  (※リトライの場合は -b512 とする)

次に、Linuxを shutdown して旧HDDを外し、新HDDを接続して起動する。fdisk -l で機器番号を確認。
さきほど吸い出したイメージ(hdd_diga.img)をそのまま新HDDへ書き込む。
3. 新HDD [DT01ABA200V] へイメージを書き込み
 # ddrescue -b4096 -f -n hdd_diga.img /dev/sdY recover.log  (※DT01ABA200V はAFTなので、-b4096とする)
4. 必要があればリトライ
 # ddrescue -b4096 -d -f -r3 hdd_diga.img /dev/sdY recover.log

@ブート後に 【必ず毎回】 fdisk -l で機器番号(sdX,sdY)を確認すること。ずれることがあるので。
@全データを読み出す必要はなく、先頭から2.5GB程度でよい。抜き出した hdd_diga.img を保存しておけば再利用できる。

▼SystemRescueCd などの簡易Linuxで済ます場合 (方針A)

Linux機を用意できず、SystemRescueCd などの簡易Linuxで済ます場合は、新旧HDDを同時接続して直接転送する。
 # ddrescue -b4096 -s2560000000 -f -n /dev/sdX /dev/sdY rescue.log
 # ddrescue -b4096 -s2560000000 -d -f -r3 /dev/sdX /dev/sdY rescue.log (エラーが出た場合、エラー部分だけリトライするコマンドを実行)

@新旧HDDを同時に接続する場合は、機器番号(sdX,sdY)を間違えないように気をつけること。
@Linuxの操作に慣れてる人は、USBメモリなどをマウントしてそこに旧HDDのイメージを保存することも可能。(方針B)

HxDでデータを書き換え

イメージを書き込んだ新HDDをWindows機につないで、HxDで値を編集する。

書き換えるアドレスは以下の16箇所
アドレスA群: 41014 42014 43008 43014 2041014 2042014 2043008 2043014
アドレスB群: 401C4 411C4 421C4 431C4 20401C4 20411C4 20421C4 20431C4

以下、8つの値のうち、左側の4つがアドレスA群に入ってる値、右側の4つがアドレスB群に入ってる値。
それぞれを元の値(青字)から新HDDの容量に合わせた値に変更する。今回の新HDDは2TBなので赤字の値に書き換える。
500GB 51 CA 8C 0E  51 BA 80 0E (元の値)
 1TB A2 14 1A 1D  A2 04 0E 1D
 2TB 44 A9 34 3A  44 99 28 3A (これに変更)
 3TB E6 3D 4F 57  E6 2D 43 57 (以下未確認)
 4TB 88 D2 69 74  88 C2 5D 74
 5TB 2A 67 84 91  2A 57 78 91
 6TB CC FB AA AE  CC EB 9E AE

# 元のHDD(500GB)のアドレスA群(8箇所)のところに「51 CA 8C 0E」という値が入っているので、これをすべて「44 A9 34 3A」に書き換える。
 同様にアドレスB群(8箇所)のところも「51 BA 80 0E」→「44 99 28 3A」と書き換える。(新HDDが2TBの場合)

以上でHDDデータの移行は完了。 Windows機から新HDDを外し、DIGAに入れて元通り組み立てる。

(※DIGAに入れる前に、新HDDをLinuxにつないで ddrescue でイメージ化しておくと、次からHxD作業が不要になる)

■換装後のDIGA起動手順

コンセントに繋ぐとHDDにアクセスするので PLEASE WAIT が消えるまで待つ。数分。
その後リモコンの(電源ボタンではなく)緑色の「スタート」ボタンで起動し、管理画面からHDDをフォーマットする。
フォーマットは数分で終了する。録画再生できれば動作確認完了。2TBだとDRで185時間弱の録画時間になります。

★注意
換装は完全自己責任です。換装するとメーカーや購入店舗の保証や修理は受けられなくなる場合があります。
旧HDDの録画データを新HDDに引っ越しすることはできません。(起動時に必ずフォーマットしないといけないので)
 → 残したい場合はBDか外付けUSB-HDDに退避して、換装後にムーブバックする。

参考:http://pc.usy.jp/wiki/465.html