BOINCをSSDで走らせる場合の注意

2012.5

■BOINCとSSD

SSDもかなり安くなってきました。SSDをシステムドライブにして、その上でBOINCを走らせている人も多いかと思います。

しかしBOINCは途中で中断してもいいように適当なタイミング(チェックポイント)でデータをディスクに記録しており、その1回の書き込み量は数十MB程度ですが、書き込みの回数が多いため、長時間の運用ではかなりの書き込み量になるため、書き込み量で寿命が決まってくるSSDとはかなり相性の悪いアプリケーションです。

ではBOINCはいったいどれくらいSSDに書き込みをするのでしょうか。

■BOINCはどれくらい書き込むか

プロジェクトやセッティングによって差が出てくると思いますが、我が家のPCでは、 HFCC(小児癌プロジェクト)で180秒毎にセーブする設定の場合、CPU1コアあたり、 4時間(CPU時間)で合計2.5GB-3GB前後の書き込みが行われていました。24時間ですと15-18GBにもなります。 CPUを2コア動かせば2倍、4コア動かせば4倍の書き込み量になります。

※書き込み量は、Windowsのタスクマネジャーのプロセスウインドウで「I/O書き込みバイト数」を表示させること等で調べることが出来ます。

■SSDの寿命

これについては SSD耐久テスト 様が参考になります。 SSDの容量にも依りますが、1日に何十GBも書き込むとなると、寿命に与える影響も少し気になるかもしれません。

■回避方法

BOINCのデータファイルをRAMディスク上に置くことで、SSDへの書き込みを減らすことができます。
WindowsXPの場合、C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\boinc\ の中身を Z:\BOINC などに移動し、 後者から前者へのジャンクション(Unixでいうシンボリックリンク)を張ることでこれが実現できます。

ただし、単純なRAMディスクソフトウェアはPCの電源を切ると内容もが消えてしまうため、チェックポイントファイルも消滅し、最初からの計算になってしまいます。 これを避けるためには、「不揮発性RAMディスク」に対応しているRAMディスクソフトウェアを導入してください。

■その他

firefoxのシステムファイル*1もかなりの書き込みがあります。これもRAMディスクに待避するのがおすすめです。

*1 C:\Documents and Settings\ユーザ名\Application Data\Mozilla (winXPの場合)